彼が弱っているときに・・・

彼の仕事が忙しくなったのは、昇進したから。
それは喜ばしいことでもあるのかもしれないけれど、
でも、私が見る限り、以前の彼のほうが生き生きとやりがいをもって、
目の前の仕事に取り組んでいたような気がする。

彼自身も、今の自分をあまり評価していない。
次々に投げかけられる無理難題のために、
寝る間も惜しんで仕事をしているのに、結局良い結果は得られない。
仕事のやり方だったり、能力にも多少は問題があるのかもしれないけれど、
でも・・・決してそれだけじゃない。
会社の路線がそもそも間違っていたとしたら、どうなんだろう。
大きな組織の中では、上に従うのが当然で、
例えば、そうじゃないんじゃないの?って思うことがあっても、
口にすることさえ許されない。
彼は今、その中でいろんなジレンマと戦っている。
もうどうにでもなれ・・・なんて、投げやりに思っているところもある。
上から下から・・・板ばさみで、つらい立場だ。
毎日、毎日、遅くまで仕事をして・・・
休日出勤もたくさんあって・・・
それでも、給与は下がっている。
いわゆるサービス残業・・・。
でもそれは・・・きっと多くのサラリーマンが当たり前にこなしていることなんだろう。
彼も、仕方ない・・・と、そう諦めている。

私と彼のデートは、極端に回数が減っている。
もちろん、無理をすれば何とかなるのかもしれないけれど、
彼の日常の忙しさを知っているだけに、私は無理をさせられないし。
ただ黙って、彼から、今度はいついつ行くよ・・・という、その言葉を待つばかり。
彼からのメールは、会社でのこと・・・愚痴も多いし、
朝起きるのもいやだ、会社に行きたくない・・・そんな言葉が頻繁になって、
とっても大らかで、前向きで、明るかった彼が嘘のよう。

私は、彼から愚痴を聞くのもいやじゃないし、
彼の愚痴を聞いて、うんうん・・・って、そううなずいているだけだけで、
何の役にも立っていないけれど・・・
彼は私の存在だけでいいんだって・・・
私がいるから、頑張れていることもたくさんあるんだって・・・
いつもそう言ってくれる。

でもそうじゃない。
私は、本当はそれでいいと思っていない。
彼が弱っているときに、そばにいてあげられないのは、私の本意じゃない。
彼が疲れて家に戻ったときに、
一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って・・・
そして、一緒のお布団に入って、よしよし・・・って、
彼の頭を撫でてから、彼が眠りにつくのを見届けたい。
そんな些細なことなのに、どれひとつもしてあげることは出来ない。

私は、彼の何なんだろう・・・。

そんな思いが頭を擡げる。

もしかしたら彼は、私にそんなことを求めていないのかもしれない。
でも・・・求められていないとしたら、それもまた、同じ。

私は、彼の何なんだろう・・・。

同じ思いが、頭を擡げる。



私はとっても甘いのかもしれないけれど・・・
傷口を舐めあうばかりがいいことではないかもしれないけれど・・・
傷口を優しく舐めてもらって、安心して、
そしてまた頑張れるってことだってあるんだと思う。
彼のそばで・・・彼の傷の手当ができたらいいのに・・・
そんなことばかり考えているこの頃。
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by azu-asu | 2006-10-10 23:53 | 恋する私