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経済観念

私のそれが必ずしも正しいとか、ベストだとかいうことではないけれど・・・
あまりにもだなぁと思うことが時折あります。

私は仕事柄、多重債務者と接する機会が多くあり、
その人たちの生活が立ち行くように、生活の再建をお手伝いしたいと、
そう思って日々頑張っています。
多重債務者のすべてが浪費で借金を作ったわけではないし、
仮に浪費が借金の原因だったとしても、
高金利のサラ金等への返済をしていくために、
また借り入れをする・・・という繰り返しで、増大していくわけで、
私は、借金を作ってしまった人だけが悪いとは決して思っていません。
だから、私なりに一生懸命接しているつもりなのだけれど、
これが難しいです。





今日もひとりの女性依頼者から電話。
自己破産の手続きを進めています。
彼女は、お金のかかる年代の子どもが3人いる主婦です。
先日保険の外交の仕事をやめたばかりで、求職中。
夫はトラックの運転手で収入はそれなりにあるけれど、
出費も多い家計です。
夫にも借金があるけれど、夫は世間体を気にしているためか、
債務整理には否定的で、自分の借金は自分でなんとかするから、と、
依頼は受けていません。
そんな彼女が、自分の借金は払わなくてもよくなったけれど、
相変わらず夫の借金があるし、生活はラクにはならない、
夫が協力してくれない、どうしたらいいだろう・・・というようなことで、
電話をかけてきたのですが・・・
聞けば聞くほど・・・う~ん・・・と思ってしまうことが。
例えば、夫の携帯代が4万かかる、
二人分だと(自分の分と合わせて)6万近くなる。
・・・私、毎月携帯代は約2800円です。
子どもの衣類を通販で買った支払いが3万円。
・・・ユニクロのセールで買っている私は、子どもの洋服に3万?信じられません。
あのね・・・夫が協力してくれてないのは良くわかる。
でも、そもそも、お金をかける場所が違うと思うよ。
お願いだから、家計簿をつけて、何にいくらかかっているのか、ちゃんと教えて・・・。
債務整理の依頼を受けた場合は、必ず家計簿をつけてもらいます。
自転車操業をしてきた人たちは、返済に追われていて、
自分に本当に必要なお金はいくらなのかを理解していません。
食費にいくらかかっているの?と聞いてもわからないのです。
その場その場で、借りては返すを繰り返していると、
本当に必要なのもの、純粋に生活費として使っているお金がいくらなのか、
まず把握するために、家計簿は必須です。
なのに・・・それはやっていない。
ちゃんとつけてくださいね・・・と、一番最初に家計簿の用紙も渡してあるのに。
夫に協力を求めるのにも、必要でしょ?
こんなに食費や光熱費は節約しているのに、
まだこれだけ赤字なのよ・・・と、客観的な資料をもって示さなければ、
どうにかなるさ的な夫の理解は得られないのです。

お金の使い方って・・・本当にひとそれぞれで、
どれが正しいとかいうことはないけれど、
それでも、生活を立て直そうと思っている人が、
どうして携帯に何万円も使えるのか理解が出来ない私は、
普段は絶対に言わないけれど、自分の生活をさらけ出して、
説教じみたことを言ってしまったわけです。
私は、母子家庭で、二人の子どもを育てている。
携帯は毎月2800円。
500円で買ったTシャツを下の子にお下がりにしてまで着させている。
1メートル280円のセールで買った布で、子どもの袋物を作成したり、
そうやって生きている、生活しているのよ。
あなたが大変だと感じていて、あなたなりに努力しているのもわかるけれど、
私に言わせれば、あまりにもひどい。
もう少し、ちゃんと考えてみようよ・・・、そのためにも家計簿をつけて、
今度は電話でなくて、事務所に来てくださいね・・・と、
受話器を置きました。

先の見通しがちゃんと立てられるかどうかってとても大事。

これから子どもが進学したりでお金がかかるだろう。
車検代なんかもきちんと計画的に蓄えないと。

私は、今、それなりに生活しているけれど、
本当にそれなりです。
けれど、これもまたそれなりにですけど、
やっぱり努力もしてるんですよね。
私も毎月自分の給料だけでは生活できないので、
赤字家計です。
でも、それを見越して、子どもの学資保険はボーナス時の年2回払いにしてあったり、
年払いすると安くなるようなものに関しては、
毎月積み立てておいて、年払いにしたりと、
ささやかな努力ですけどね。
毎月の赤字は、児童扶養手当でまかなって、
車検代、車の税金、車買い替えのための積み立て・・・
それらをボーナスでまかなう。
やっとギリギリの生活です。
それでも、多くの母子家庭の家計よりは余裕があるのだろうと思います。
もっともっと大変な人もたくさんいるはずですからね。

とにかく・・・今日は、その依頼者からの電話で、
ちょっと歯がゆい気持ちになりました。
自分の経済観念を人に押し付けるのもどうかと思うけれど、
もう少し客観的に自分の家計を見ることも必要かなぁと。
そんなことを思ったわけです。



お仕事の話からちょっと外れましたかね(^^)

by azu-asu | 2006-10-06 23:31 | お仕事